Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

そして

ビジネス柄お人との出会いと別れを毎晩のように繰り返すもので。今宵は個人的に残念な形になってしまうことがございましたが、これもひとえに未熟さからの・・・・・・。
・Chateauneuf du Pape’96 Henri Bonneau
相変わらず3月も前半は、動きが芳しくなく。中ごろからの暖かさに皆様のお越しがあればと。そんな今宵は、ローヌの思いで深いアンリ・ボノーを。個人的に赤ワインの産地の中でもバルバレスコブルゴーニュと考えても決めがたいくらい素晴らしい経験が何度か。ローヌ北部のギガルやジャブレ、南のレイヤスやボーカステルにもまた心魅かれながらもこのアンリ・ボノーは中々手に入り難く興味を持っていた造り手。ここ数年で幾らか手に入り出しそのエレガントさに息を呑む瞬間を。
シャトーヌフではレイヤスの異常なまでの妖艶さに何度も何度も考えさせられ、締め付けられるような脅迫の如きテイスティングが印象的でした。それに対照的な感覚を持つ彼の’96は既に厳しさは感じられず柔らかく洗練されふとした浮遊感が。その中にローヌ特有のムスクと言うか獣のニュアンスが嫌味で無くふんわりとエッセンスのように余韻に混ぜ込められ。上質なワインに求めるべきフィネスがここには。パワーと解かり易さに市場を開く現在の状況からはまた異を唱えるスタイルかと。
そんなワインをかなり前ですが、ソムリエらしからぬラッパ飲みしてしまった随分酔ってしまった忘れがたい晩があったことも・・・・・・・・・。

           Sommelier R.Imamura