Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

ボンド

中盤からの意外な新規のゲストにより昨夜は、結果的には伸び悩んでいた2月の前半を何とかチャラにするような形に。実際には後半にお越しの2組の連日のご利用のご常連さんに委ねられてはいましたが。そのなかでも北海道からのムッシュは7名でしたが、もう一方のムッシュはお一人ですしその辺りのも微妙な力関係は。仮にお客様単価を考えれば歴然で。
・Volnay Les Caillerets ”Clos des 60 Ouvrees”’84 La Pousse d’Or
・Melbury’99 Bond
ワイン名表記の長さもワインの味わいと同様にかなり異なる2本の銘柄ですが個人的な好みは言わずもがなかと。プス・ドールが単独所有するこの畑のは2ヘクタールを少し越えるくらいのブルゴーニュ特有の極々小さな畑で彼等にとってもクロ・ドラ・ブスドールとは甲乙付けがたいほどの看板畑でしょう。一年ずれればもう何とも形容しがたいほどの世界観があるのでしょうがこの’84はそれはそれで。男性がカウンターとその内側でシガーを燻らせながらの状況には素晴らしく相応しい1本かと。やや、酸味が勝るスタイルながらも本日解禁のモンテクリスト・No3のリゼルバのお陰で甘い果実味を膨らませておりました。ただ、珍しく下向きのムッシュのお相手が後半出来なかったことが申し訳なく。
一昨日のアンティノリの熟成感よりもやはりカリフォルニアのパワーの方がお好みだったようで。ご利用を仄めかされていたので自宅のセラーよりお持ちしておりました、ハーランの弟を。弟とは言えそんな扱いには出来ないくらいの贅沢な逸品で、選択肢に同等のアラホもお持ちしておりましたが今宵は2本纏めてと言う訳には行きませんでした。途中から実は昨夜近しい方が亡くなられたそうで気持ちとは裏腹の状況だったそうで。
私にはお伺いするぐらいしか出来ませんでしたが、普段からバイタリティ溢れるムッシュのお気持ちは察するところはとても大きく。パワフルなカリフォルニア・カルトで知られるボンドの’99は柔らかく熟成の姿を見せておりましたが濃密な膨らみは失われてはおらず。今宵、少なからずのお心に届くワインであれば良いのですが・・・・・・。

              Sommelier R.Imamura