Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

カルト

依存型のスタイルの店舗であることを改めて感じさせられる昨夜は。扱わせていただくワインもかなり特殊な範囲のものになるのも仕方無く。
・Vosne Romanee Les Hautes Mazieres’84 Robert Arnoux
・Maya’01 Dalla Valle
ブルゴーニュの彼女は、大阪のリッツさんからお電話で今宵のワインの澱を飲みたいかと。ポマールのグラン・ゼプノ’28でドクター・バロレだそうで、澱だらけなのは想像出来ましたが香りだけでも素晴らしく。最近は澱の部分をいただくことも少なくなりましたが、折角大阪から揺られて来たこの稀少なものは飲まない訳には。予想以上のピュアな味わいに驚かされましたが、細かい澱で濁っておりましたが飲めるものだなと。
ほとんどは私が飲み込んだマジエールは、’84らしく後半に柔らかさが。開けたては酸がシャープに感じられましたがらしさは感じられ。和の重鎮をお連れでしたが、流石にミシュランの話題がしばしの時間を。
話の流れと言うものは、ワインの在庫を含めて面白いもので。少しだけお仕事上のお手伝いをさせていただいているのですが、テイスティングを何種か済まされた後のきっかけでこのカリフォルニア・カルトのマヤを。話題になった瞬間にボトルをお見せできたのも勝因だったのかもしれませんが、「直に開けないと、飲まへんぞ」とおっしゃられる辺りは粋な方で。未亡人で日本人だったマダムが仕込む、お嬢さんの名を冠したこの稀少なワインは若い段階ではありますがボルドーのフィネスをも兼ね備えた素晴らしい1本。カシス・リキュールのアロマは当然飛び出しますが、その後からの多彩で複雑なアロマはブラインドで出されればボルドーと答えてしまうかも。クローブモカ、マッシュルームのニュアンスは優雅で当たりも柔らかくフィネスを。ボルドー・スタイルに於いては本家を凌ぐ凄まじいものがこの国には幾つか。
それにしても、高いな。カリフォルニア・カルトは。こちらだけでも、私の今宵の仕事としては十分な結果を・・・・・・・・・。

            Sommelier R.Imamura