Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

結局、後半で

祝日から抜け出せずに未だゆっくりとしたこの週の前半です。
今宵も後半に楽しめるワインを幾つか
・Chateau Pavie’83 St Emilion
・Chateau de Fonsarette’97 J.Reynaud
マダムの飼い猫の名が何故かパヴィーだそうで、いやらしいほどの狙いはマダムのヴィンテージの’83で。偶然、購入していたワインはやはりこお言った流れが意外に多いものです。
近年のパヴィーは、右岸のエリアの騒動を一心に背負ってしまうような酒質に様変わりしてしまい個人的にはあまり。
この’83はかつての味わいをはっきりと感じさせ、また想定以上に骨格を留める構成力のある1本に為っておりました。確かに’70年代や’80年代のもので特にやや難しいヴィンテージのこのシャトーには、もう儚げな面影しか見受けられないものが多数ございました。例えばマグナムでありながらも’73などは・・・・・・。おそらくブラインドで出されれば、心地良く騰がって来るモカやカカオのチョコレートのニュアンスにサンテミリオンの中々上質なシャトーを想像しがちな印象を。思わず後半カウンターの立ち振舞いに追われながらも随分飲み込んでしまいました。
ジャック・レイノー、余裕があるのであれば買えるだけ買ってしまいたい!最近のローヌへの感情移入はしきりと思わせぶりで。確かにムンムンと騰がるムスクのアロマはセクシーで。山鳩5羽、雷鳥3羽、山鶉4羽、蝦夷鹿3頭、猪1頭を部屋に放り込まれたようなジビエ臭とは面白い表現をされるワイン・ライターの方もおられるもので。確かにそんな香りも感じさせながら、以前扱う機会があった’88’86’83が頭の中を駆け巡り。今も既に素晴らしい要素を存分に感じさせながらもまた数十年後にご一緒に楽しませていただく機会があれば素敵でしょう。
今宵も中々素晴らしい飲みっぷりで。
明日から学会が始まるようですが、千葉からのドクターは今回は台風のようなトラブルに会われないことを祈ります。

              Sommelier R.Imamura