Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

ついに

ゆっくりと進む9月のスタートでしたが、今宵も甘えさせていただいた晩になりました。
・Henschke Hill of Grace’96
・Chateau Lalande Borie’93 St Julien
・Nuits St Georges’91 Jean Chauvenet
遂に遂に。私のワイン・リストの中にはおそらく800種ほどのワインが羅列されておりますがほとんどのワインが2年以上セラーに寝続けることは無い状態で。そんな中この1本だけは、おそらく3年以上セラーの中で出番を待っておりました。間違えなく最も長いことセラーとワイン・リストに鎮座しており。そんなことすらもセールス・トークのひとつにされてしまうのも、ご常連のドクターには申し訳なかったのですが。
思惑違いだったのは、予想以上に柔らかく熟成が進んでいたこと’96と言えばボルドーでもまだまだガチガチな筋骨と言ったものも未だに。この特別なカルトのヒル・オブ・グレースの酒質には大いに期待を別の意味と言うかしておりました。ハードなワインを好まれるマダムに対して。それにしても洗練された非常にエレガントな味わいに、オーストラリアのシラーズの印象を大きく変えさせられる意外なほど私好みのワインに。残念ながらマダムには、一歩下がっていただくような・・・・・・。ムッシュと二人で飲み込む量が増えましたが。やはり、カリフォルニアのレーメイやルイスの方がお気に召されたようで。
栄転で東京に赴かれたムッシュに幾分寂しさを覚えますが、これもこれで。来年のご結婚も楽しみですが、何かご縁がいただければ幸いです。しなやかに熟成したサンジュリアンのブルジョアもこの辺りが現時点でも楽しく。フランボアーズと樽のマッチングは見事では。
長距離ドライバーのような生活をされるムッシュに今宵もお疲れ様とお伝えしたいのですが、お疲れの証かブルゴーニュを。やや、お醤油のニュアンスが漂うニュイ・エリアのマッチョマンはスパイシーさも蓄えて。その中に十分に含められた酸がポイントで。味わいを複雑にしてくれるこの部分がブルゴーニュの妙味でしょう。お食事会の結果を次回は楽しみにしております。

            Sommelier R.Imamura