Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

後半に

やはり中盤と後半に救われることに。連日忙しくは無いのに個人的には、何となく充実していると勘違いのソムリエですが今宵もグラン・ヴァンは途切れませんでした。
・Volnay Santenoys’76 Dominique Laurent
・Chablis Moutonne’89 Long Depaquit
・Chateau Pichon Laland’86 Pauillac
今宵はブレーキかな?と半ば意気消沈していた矢先でした4名様にてのドクターはお一人お誕生日の方がおられ、ヴィンテージ’76を。物凄く潤沢に’76は手持ちがあったのですが残念ながらやや非現実的なものばかりでして。お任せいただいたご予算で十分な満足感の得られるネゴスのドミニク・ローラン。人は外見で判断してはいけないのですが、個人的にはこの人がブルゴーニュのエレガンスを体現されるのか?とよく思ったものです。それでも買い付けられた、このヴォルネイはリコルクもされておりましたが優雅さと力をはっきりと。
ただ、それ以上にこちらのゲストのお一人がお帰り際にオペラのあの名曲を歌われ。こちらのゲストのみでしたので問題は無かったのですが、とてもとてもお上手で思わず聞きほれてしまいました。心に穏やかさを・・・・・。
色々と悩まれながらもムッシュは結局ママさんのリクエストとヴァースデイ・ヴィンテージの’86に行き着かれ。
この辺りのシャブリは、実際にはシャブリでは済まされない極上の。ドルーアンが仕込むロンデ・パキのモノポール。熟成感をたっぷりと讃えながらもふくよかな酸が白ワインのイメージをガラリと変えてくれます。一気にラランドへと急がれる皆様とは裏腹にママさんと二人で今宵最高の白に舌鼓を。
’06にリリースされた20歳を祝うべく作為的なニュアンスをたっぷりと秘めていた伯爵婦人はオーナーのマダムの力作のひとつでしょう。現在は他へ売却されてしまったことに関しては残念ですが時代の流れは否がおうにも。その顕著さはヴィンテージ’86などが生まれ年で活躍することに止めを。それにしてもラランドはどのヴィンテージも華やかで優雅。そして奥ゆかしく包み込むような母性を感じてしまう私はマザコンなのでしょうか・・・・・・・。

               Sommelier R.Imamura