Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

帰れない

祝日は0:00を目処に営業を終わらせていただくことが常ですが、昨夜はもう閉めましょうとまかないの食事中に。。
さすがに昨日がお誕生日だとも伺っておりましたし、お断りしかねる状況もワインの銘柄ではっきりと解かる方でしたのでTシャツ姿ではございましたが、抜かせていただきました。
・Chateau Smith Haut Lafite’93 Pessac Leognan
・Nuits St Georges Clos des Corvees’98 Prieure Roch
Musigny V.V’86 Comte Georges de Vogue
・Beaune La Montee’72 Leon Violland
前半のご家族はロマネ・コンティの取り置きを「内緒やで!」とおっしゃられながらの祝日ならではのご利用に。お子様のご利用も個人的には小さな頃からの経験でレストランなどの外食に良いイメージをお持ちいただければと好意的にお受けたまり。ただ、お嬢にはお支払い時には「高いなー」と言われてしまいましたが。確か転換期の頃の特別なグラーヴのこのシャトーは熟成によりりんご飴のような特殊な甘みと酸味のバランスを感じさせ。
エチケットが変わったこのクロ・ド・コルヴェ、何か高級感には欠けると思いながらもお味は素晴らしく。パカレ最後のヴィンテージは、ロマネ・コンティの共同経営者というストーリーも今宵には、そのうんちくもお預けでしょう。
何とか他の銘柄にもトライしていただきたい、ミュジニー最後の1本を出し惜しみしたい気持ちもありましたが、彼女がヴォギュエを最後まで諦められなかったのが決め手に。それにしてもこの1本で全てを覆す今宵の営業でしたが、そんなことも忘れ去らせてくれる極上のブルゴーニュ。官能美はいつもこのあたりのワインによってもたらされますが、そろそろ’86も円熟さも出てきつつ。
ヴィンテージ’72は、届くべきお人に届けられました。ミュジニーの後にはエレガンスでは太刀打ち出来ませんが、良い意味でひねた香りと味わいにヴィンテージの特性を。コルクがもう持ちこたえきれない程の収縮にこらえていましたが、これもまたオールドの極みかと。バースデイ・ヴィンテージのブルゴーニュは初めてらしく、ゆっくりとミュジニーの偉大さを噛み締める比較になってしまったのも皮肉な結果でした。 Sommelier R