Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

男だらけの・・・・・・・

今宵中盤までゲストはもう来られないのでは?と不安に駆られる晩でしたが気がつけば満席に。そして、再度気がつけば全員男性のゲストでほぼ皆様ダーク系のお召し物のかたばかりで重たい空間になっておりました。
さて、今宵は昨夜とは打って変わり素敵な喜びが。
ご常連の皆様のお心使いには、心を打たれることがしばしばございまして。お一人でお越しのゲストお二人がなんとも粋なお会計を。
お一人はだいたい毎回御代が福沢さん一枚くらいの飲み方で、おつりは偶に置いていかれることも。今夜もタクシー代には十分なるくらいの額がこころつてに。お金と言う以上にお気持ちがありがたく、大切なお客様にはいつか出来る限りの気持をお伝えしたく秘める思いが募ります。
もうお一人はクリスマス期間中にも関わらず、お子さんが産まれたばかりにも関わらず京都に出張で。年間数回のご利用ですが、記憶に留まる淡々とされたインテリジェンスを感じさせる方です。今宵も普段よりもグラスの数も増え最後は、何か偶然の出会いのシャトー・タルボ’93だったようで。お代も正規でいただいたのですが、提示額が双方の見解とはずれていたようで余分の額を差し出されました。”お安くしていただいて”との表現は感覚はそれぞれながらもスマートな嫌味を感じさせない大人の物腰でした。こちらもまた、金銭には留まらない清清しさがございました。
昨夜とは比較にならない感覚に改めてお店はお客様が作り上げられる部分が重要と再度痛感いたしました。
そんな今宵も素晴らしいワインが
・Barbaresco’91 GAJA
・Chateau Pichon Laland’70 Pauillac
今年を振り返る占めのワインと言われれば、ハーフ・ボトルの限定でしたので難しく。最後のハーフのバルバレスコは心に響くワインであったならば幸いです。
こちらもおそらく年内最後のムッシュは、今年もペトリュースにムートンと大きく。今宵はお姉さんとの兼ね合いで二級のラランドに。二級の一番私好みのこのシャトーも気付けば残すものも’81のみに。仕入れに苦悩する年末になってしまいましたが、やはり’70は優雅でフィネス溢れる柔らかいワイン。心和やかにさせてくれる1杯は、病んだ心に染み渡りました。

               Sommelier R.Imamura