Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

クリスマスの初日

連日遅くまで仕込みに余念がないシェフに、気力が感じられます。かたや私はゲストの皆様にお風邪ですか?と窘められてしまうお恥ずかしき状況ですが、ご心配なく。秘薬のグラン・ヴァンが効いてきた感じです。
今宵もおそらく年内最後ですと、ご常連さんのありがたきご利用が幾つかとクリスマス・コースの初日がスタート致しました。
前半は全てのゲストがコースのお料理で、気持ち悪いくらい上出来で。21:00前には、全てお席を立たれ一次は、ノー・ゲストに。お次のゲストには良いのか悪いのか貸し切り状態が長い間・・・・・・・。ただ、日が変わる頃には収集が付かないガチャガチャに。
先のゲストもお若い方ばかりでしたが、5名でボトル5本の素晴らしい飲みっぷりでしたが。
今宵の特筆は、連日のヴィンテージ’80と甘美な貴腐ワインの最高峰が。
・Les Forts de Latour’80 Pauillac
・Chateau d’Yquem’94 Sauternes (Demi)
何時飲んでもセカンド・クラスとは言えないくらいのクオリティの高さに満足を覚えるラトゥールの弟。’80とは言え、おそらく格付けシャトーをなぎ倒しながら二級ランクまで飛び越えていくくらいの完成度で。丁子とモカのニュアンスがビターな大人の時間を演出してくれたのでは。
想定外の2本目は、久しぶりのイケムでした。優美と言う言葉が最も相応しいトロリとした秘薬は、甘いものの酸がエレガントにスタイルを整え洗練されたデザート・ワインのもっとも偉大なもの。何杯でも甘美な時を過ごしたい衝動に駆られる特別な1杯。
最近思うのですが、人生最後の一杯はシャンパーニュだと決めておりましたがシャトー・ディケムの’73でもいいのかなと。未だに若さを漲らせる特別なワインは最後の時には人間よりも力を蓄えているのか非常に興味深い。
さて、イヴ・イヴですわ。如何なものでしょう。

              Sommelier R.Imamura