昨夜のアルコールが残る感覚を引きずりながらも今宵は、オープン直後からのスタートで。
全体的には低調な動きでしたが、ブルゴーニュの上質とカリフォルニアの特別な存在が
・Nuits Saint Georges’90 Joseph Drouhin
・Gevrey Chambertin Vieille Vignes’90 Alain Burguet
・Cabernet Sauvignon Martha’s Vineyard’89 Heitz Cellar
ヴィンテージ’90のブルゴーニュは、村名クラスのワインがやっと飲み頃を迎え始め。二本の流れは印象的でしたが、ドルーアンはこの辺りから安定感を持ち始めた頃では。ニュイのエリアでは最も骨格を厳格にするニュイ・サン・ジョルジュですが彼らは柔らかく膨らみのあるスタイルに仕上げてくれており、酸もしなやかにまとまって全体的に落ち着きを。
アラン・ビュルゲはジュヴレでも、いぶし銀の存在ですが比較をするとやはり肉付きの良さが顕著に。抜栓直後は酸味が際立つ活き活きした印象も徐々にまとまり甘みが増していく変化を楽しめる偉大なヴィンテージでした。このクラスに特にグラスの選択の重要性が感じられます。やや、酸の硬さを感じポテンシャルの高いものについてはコストの問題はございますがリーデル社のソムリエ・シリーズの意味合いは大きいでしょう。
さて、それから久しぶりのご来店に痛風のご報告をされたゲストは食事・飲酒制限をされながらも今宵はオーパス・ワンを目指しておられたようで。しかし私の手持ちはヴィンテージ’83しか無く、プライスも中々のもので。作戦変更でお勧めしたカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンは意外な展開で結果的には伝説の畑”マーサズ・ヴィンヤード”に。シュチュエーション的には理解できましたが、時間帯はまだそんなワインが開けられる意識は無かったので驚きましたが良い経験をさせていただきました。正に飲み頃を迎え、カリフォルニアのネガティブな部分を上手に溶け込ませたアメリカン・チェリーのアロマを放ちつつ。ヴォリューム感は変わらず健在で力強さの中にも優しい果実実を蓄えておりました。このクラスでは十分にフィネスが感じられ、カベルネ・ベースのワインがボルドーにも勝るとも劣らない存在であることを意識せざる負えません。
Sommelier R.Imamura