Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

久々の勢い

夜半過ぎの大雨に水を挿されたような昨夜の営業でしたが、久しぶりの慌しさに立ち振る舞いの限界が。
前半のスロー・スタートは今宵10周年の結婚記念日を祝われるご夫婦が。96年からのテン・スイートと言った感じで、少し意味あるワインを。
・Barbaresco’96 GAJA
最愛の造り手、ガヤのヴィンテージ’96は実際には私のリストでは最も若い生産年でまだ早いかなあ?と危惧はいたしましたが、そろそろ私自身の感覚も修正していかなければ、と考えさせられるくらい素晴らしく華やかでありながら飲みごたえのある上質な段階に入っておりました。スミレのアロマはいつも通りセクシーで今宵のマダムのイメージを重ねあわすものでした。
気がつけば私自身も7年の結婚生活が過ぎ10年というのも何となく見えてきた感じがします。皆さんダイヤモンドなんかを渡されるのでしょうか?
そんな満ち足りた感じの時間帯は、贅沢でしたがこれ以降の満席状態は恐ろしく。
・Chateau d’Armailhac’95 Pauillac
・Chateau Pichon Laland’87 Pauillac
・Cabernet Sauvignon’86 Beringer
・Louise’89 Pommery
いつもお店のお客様と共にお越しになられる料理長さんは、相変わらずお強く今宵はご自身の力説もすかされる様な一枚上手の方のようでして結局4本のボルドーとカリフォルニアを。徐々に熟成したニュアンスに気づかれながらも酔いには勝てず。ラランドのしなやかさに心を許しながらも意外なカリフォルニアのエレガントさに最後は時を忘れお連れのマダムは突っ伏せる状況になっておりました。先ごろもボルドーとカリフォルニアのワイン・テイスティング対決が30年ぶりに行われ再度カリフォルニアの優位な結果がでたようですが・・・・・・。
最後のテーブル席に座られた5名様は、予約の取れない和食さんで本日10本以上の持込ワイン会をされたようですが、占めのシャンパーニュはルイーズを選ばれました。’89はもう市場でもあまり見かけられず、出来ればどなたも気づかれなければいいなあ、と思っておりましたがついに嫁入りしていきました。ビスケットのような香ばしいアロマを放ちながら甘美な美酒を染み込ませておられました。

            Sommelier R.Imamura