Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

憂いを晴らす

祝日はやはり、こんなものかと言った感じで終わっていきました。
前半は意外にもカウンターは、ご常連さんでテーブルはお初のゲストと言った具合で満席に。ですが、コース料理にお水の方など時間帯によっても意図とは裏腹な現実も。
さて、昨夜はマダムお二人で事あるごとにご利用いただくご常連さんが。ご予約はいただいてはいたものの30分前にお祝いのワインのセレクトのお電話が。とにかく、酒量は並外れたお二人ですのでご予算的には現実的なものをいつもご依頼で。数字をはっきりおっしゃっていただけるので、こちらとしても解かり易く。またお誕生日の前祝との旨もはっきりと伝えていただければ若干なりともサーヴィスぎみにお出しできるワインになるものです。
・Chateau Chasse Spleen’92 Moulis
ボルドー・クリュ・ブルジョアの限りなくグラン・クリュに近いこのシャトーは”憂いを晴らす”と言う意の名を冠する造り手で聞くところによるとフランス・ワールド・カップで優勝したフランス・チームより敗戦国に贈られたワインと言われております。
どうやら、いつも気丈なマダムですが実はお母様が癌で闘病生活をされていたようで普段は東京に嫁がれているのですが最近いやにご利用が多く成られていたので介護の都合もあられたようです。まだ、50代らしく眼を赤らめることもあられたのですが、微妙にワインにもストーリーが付けられるもので。
ヴィンテージ’92は、やや難しく仕上がった年。パワフルなマダムには少なからずしなやかすぎたかもしれませんが、どこか癒される優しいボルドーに女性二人の煌びやかな晩はゆっくりと暮れていきました。

               Sommelier R.Imamura