Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

今宵も素晴らしく、そして遅く

プチ・ワイン会のご利用があられた今宵は、前半だけかと思われましたがやはり後半ぎりぎりの入店が。
そんな今宵も少ないながらも素晴らしきグラン・ヴァンが。
・Meursault Cote de Beaune’85 J.F.Coche Dury
・Chateau Cantemerle’53 Haut Medoc
・Vino Noble di Montepulciano’90 Poliziano
白ワインの傑出した造り手コシュ・デュリ。珍しい赤ワインのムルソーでした。事情ありリスト外からもご利用になりましたが、これがまた予想以上に素晴らしく。ヴィンテージに後押しされるようにグイグイと甘みが押し寄せる感じで、ラズベリー・ジャムをほうばるかの如く。ちなみに昨日の祝日を営業されて代休をとられた先日ロマネ・コンティを飲まれた料理人さんのご家族のお楽しみでしたが。
それにしても、今宵は少し早いお時間でしたので下のお子さんがぐずられておられましたが、お隣のご常連さんの寛容な対応に感謝いたします。
その方達がお楽しみになられたのは、ボルドーの最高に偉大なヴィンテージのひとつ’53でした。お一人’53産まれの方がおられ実を言うと意図して仕入れたものでした。それに快く乗っていただけたムッシュにはありがたく。ヴィンテージとごろも良い53歳になったワインは、これまたイメージしていたものでは無かったです。良い意味で。未だに骨格をしっかりと形成しており半世紀の時の移ろいなど微塵も感じさせない活き活きしたワインでした。5級の最下位シャトーとは言え驚きを覚えるほど印象深いワインでした。ちなみにレクサス購入1周年記念ネーム入りポメリーは、不思議な状態でしたがそれはそれで華を添えるものかと。
深夜の文字通り”ノーヴィレ”高貴なワインは酔われている状況には似つかわしくは無かったのですが味わいは流石で。こんなワインの’90が出てくるとは思いもしていなかったので見つけた時は懐かしさも。イタリア料理店で働いている時に’96を随分扱わせていただいた記憶は鮮明に。今の段階で’90とは嬉しいことではないですか。硬さを残しながらも高貴にたなめくアニスのブケが官能的で。
さて、明日はワインの日微妙な曜日ですが皆様のお越しを。

              Sommelier R.Imamura