Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

Chateau Margaux’66

激しく降る雨に、出足の鈍い今宵でしたがそんな今夜もご常連さんのバースデイでのご利用に救われる感じでした。
兼ねてより、お産まれ年のワインを試されたいと切望されていたムッシュは今宵のお誕生日に念願のマルゴーを。
・Chateau Margaux’66 Margaux
五大シャトーの中で最も優雅でエレガンスを感じさせ、しなやかながらもカモシカのような筋肉美をもつ、このシャトー。ヴィンテージ’66は夏の雨が多かったものの、9月の暑さののおかげでしっかりとした肉づきの長期熟成型のワイン。正しくこのマルゴーもボルドーがその凛然としたところのエレガンスを発揮した5ツ星の出来映えです。
ここ数年でも、もう一本扱わせていただける機会がありそのときはコルクを5mmほど残して砕けてしまいましたが、味わい的にはもうピークは過ぎていた感じでした。リベンジ掛かる今夜の’66は、当然のように信頼できるエージェントからのもので期待もございました。
ですが、抜栓は惨敗でした。ちょうど真ん中から砕けるように折れてしまい残念で仕方なかったのですが、昨夜に引き続き技術の未熟さに・・・・・・・・・。
それでも、最終的にはきれいに抜けてくれテイスティングは極上の世界でした。前回とは比較にならない、たっぷりとした果実味の甘みは40年の時など微塵も。コーヒーとトリュッフ甘いブケは官能美で。酸味が活きる甘美なポートのスタイルにはいっておりました。
それにしても、毎晩ソムリエ冥利に尽きる偉大なグラン・ヴァンのテイスティングに日々これまた勉強です。
それと、今宵は以前お世話になっておりましたレストランの後輩が。退職の報告でしたが、彼の離脱でついに私が共に働いた仲間はこのレストランからはいなくなりました。皆様々な形で新たなステージへと旅立つのは当たり前のことですが、なにか寂しさも・・・・・・・・・。
そんなことを言いながらも、”ぶどうの蔵”だってたった二人の極小サイズに縮小して極限で生き残りをかけているのですが。
さて、明日は晴れると良いのですが。

              Sommelier R.Imamura