Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

嵐のグラン・ヴァン

今宵の連休空けは、偉大なグラン・ヴァンに卒倒される勢いが。ですが、状態は色々でリスクを背負う場面もございました。久しぶりのブルゴーニュの彼女は珍しく、今宵引きは芳しくなく。ですが、気を使っていただけ3本の貴重ななで肩のボトルを。
・Santenay Les Gravieres'76 La Pousse d'Or
・Hospice de Beaune Cuvee Hugues et Louis Betault’86
・Chambertin'78 Louis Trapet
・Vosne Romanee La Grande Rue'78 Henri Lamarche
・Clos de Vougeot Musigni'79 Gros Frere

・Chateau Trotanoy'83 Pomerol
・Chateau Leoville Poyferre'93 Saint Julien
やや、下りが早く感じられた30年も寝かせられたサントネは酸味を主張する上品な淑女。
寄進された善意の畑からは、柔らかく凝縮したアメリカン・チェリーのコンポートで、順序は逆なもののこのレベルの10年は大きな違いを垣間見れ。
今宵の問題はこのシャンベルタンでした。コルクはもう耐え切れておらず、スルスルとボトルの中へと。リフターを使用する難しい状態に気もそぞろでしたが、グラスの中で5分の儚さを。ですが本来の輝きは感じえず、リスクを負う羽目に。トラペの’78は期待が大きかったのですが。明日、業者さんにご相談を。
何よりロマネ・コンティとラターシュに挟まれた偉大なプルミエ。7から8割の評価しか得られなかったもののバイオ・リズムの狭間に苦しむ感も否めないグレート・ヴィンテージでした。ボトルむらは悩ましく。
素晴らしく良く出来たワインのグロ・フレール。予想通り若さ漲るフレッシュな果実を感じさせ。ですが、彼のワインはノスタルジーに欠け。ミュジニの名を冠する特別なヴージョは、好みの分かれる上質な1本でした。
ボルドーも見逃せない。トロタノアは、やはり安心出きるシャトーで。円い味わいはブルゴーニュをも牽制するまとまりがあり、落ち着きを感じさせるレディを。
若者には、とセレクトされたこのシャトーだって侮れるはずが無く。菩提樹のアロマがメリハリを与えるこの2級のグラン・ヴァンは、私どもではこんな使われ方もいたし方なく。ですが、若い方たちがワインに興味を持たれ近づいていただけることに将来が楽しみで。
前半の静けさは、後半は嘘のように。この週は動きを感じていたい・・・・・・・。明日は如何なものか。

                Sommelier R.Imamura