Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

偶然のヴィンテージ’72

今週は結局、ずっと忙しく今宵も降り続ける雨模様にも記念日を祝う2組のカップルが。なんと偶然にも、今夜の二組はどちらもヴィンテージ’76を祝うお誕生日のご利用に。あらかじめご予約いただいていたゲストは選択肢が4つ。
・Chateau Gruaud Larose’72 St Julien
・Chateau Margaux’72 Margaux
・Clos de la Roche’72 Dominique Laurent
・Beaune 1er’72 Leon Viollant
随分悩まれた結果、珍しく状態も最も安定しているであろうブルゴーニュの特級畑を。シャンベルタンのあのトップ・ドメーヌが造り出したボトルとの触れ込みがあるこのいわく付きのワインは望まれるべく、マダムのお祝いのキュヴェに。やはり、リコルクのため元気いっぱいのクランベリー・ジュースは、ゲストからも色々な香りの表現が浮かびそれだけ複雑な印象が与えられるワインだったのでは。ただ、ニュアンスとしてはグラン・クリュはさすがに大きなサイズをたもっているなと思いました。
先のお二人が最後まで、決めきれずにいたもうひとつは、やはりマルゴーでした。面白いことに本日夕方に、ご予約をいただいた以前は祇園のクラブのママさんをされていたマダムは、本命の彼を連れて。なんとこの彼ヴィンテージ’72のお誕生日のお祝いに。お任せいただいたワインの銘柄は考えるまで無く五大シャトーに。2組のゲスト4人はボルドーブルゴーニュのグラン・ヴァンを仲良く少しずつ分け合われ。マルゴーのコメントは予想通り中々シビアにならざる負えないものではありましたが他では見かけにくい興味ある1本に、ヴィンテージのキャラクターと五大シャトーとて苦しみの時代のあることを知らしめる結果に。それでも嗜好品の最たるワインは皆様お好みはバラバラに。それでこそ意味のあるものでは。
それにしても、こんな偶然の出会いがあるからこそカウンターでのお商売は楽しみが膨らみます。
さあ、明日も臨時営業の日曜日。動きは落ち着くでしょうが、楽しみましょう。

             SOMMELER R.IMAMURA