Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

ピノ・ノワール

2日の木曜日は、ワインバーはご常連さんに一段とありがたさを。ビストロは2月の苦しみに直撃しております。
久しぶりのブルゴーニュの彼女は、珍しくデキャンタ2つを下げて。ブラインドで意見を問われた、私と祇園のイタリアンのシェフでしたが、私はどのみちブルゴーニュでしょ!と思い込んでいた時点で負けておりました。
皮肉なことに、内1本は最愛のガヤの’78で。ブルゴーニュの熟成にしては酸味をしっかりと含んだタンニンが、気になりましたが答えを聞けばなるほどと。若干、以前試せた’78とはスタイルの違いを感じましたが、こちらに関してはどうやら、彼女とお連れの先生とでワインが健全かどうかで揉めておられた様です。
もう1本は、これまたトスカーナメルロー。イタリアにおいて最もこのぶどう品種で認められた「マセトー’89」。えらいガチガチやな、と感じさせるこのワインも、しなやかになりがちな他のワインに比べてやはり個性溢れる優良な銘柄かと。ファースト・ヴィンテージの’87は私のリストの常連ですが、やはりのりに乗るこのヴィンテージ’89はポテンシャルが高く。
そして、今宵はピノ・ノワール
・Pinot Noir’79 Robert Mondavi
・Chassagne Montrachet Morgeot’76
       Fernand Laurent Pillot
・Chambertin Clos de Beze’76
       Pieere Damoy
カリフォルニアの熟成したピノ・ノワールは、ポートのように甘みのみを追求したようなスタイル。ボトルの底にくぼみを造らない、この時代の彼のワインは澱の対応に悩まされるソムリエ泣かせの1本。
ここのところ、白ワイン優勢のエリアと言う印象を覆す赤が見受けられるシャサーニュ。ましてや、オールドのリコルクものは安心感があり、ノスタルジー感は薄いものの、未だに若々しさ溢れる酸が印象的で。
中々の出来のヴィンテージ’76は、ものによっては硬さに悩まされるものも。こんな時はゆっくりと時間を楽しむしかない。この特級も、香りは全開に開いているもののタンニンが閉じこもり、目覚ましを何度も消す起き上がってくれない頑固なタイプ。香りが素敵なだけにデキャンタージュは禁物かと。とはいえ、グラスの残り香は非常に好印象だったのでは。Ryu