Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

ボランジェ R・D

シャンパン好きの女性のお誕生日に“ドン・ペリニヨンクリュッグでは、おもしろくないし、本当のシャンパンラヴァーの好むシャンパンを用意してほしい・・・”とのご要望に、先様のご意向と私の嗜好が一致したのが「ボランジェ R・D」・・・「R・D」と言うのは、「レスマン・デゴルジュマン」の略で、シャンパン製造の最終段階の「口抜き」を出荷時点で行うもので、普通は第二次発酵から長いものでも3年以内に施される技法を、このシャンパンは、瓶内の還元的な熟成を促すために10年以上も遅れて行う・・・因みに今日のものは、ヴィンテージ「'88」で、口抜き作業は瓶の裏ラベルに「2000.4月」と記してある・・・私が、最初に出会ったのが「ロイヤルオーク」時代で、「'79」のそのシャンパンは、瓶の中に「オリ」が舞い「劣化」扱いで、ソムリエ連中の「飲み会」に持って行ったところ、泡は驚くほど力強く、クリーミーに液体に溶け込んでいて、その熟成感はというと“泡の立つ極上ムルソー”・・・以前、クリュッグセミナーで頂いた「コレクシヨン '62」の「ハニーライク」で「ナッティー」な、信じがたい感動に似たもので、「乾杯用」とか「食前酒」と思われがちなシャンパンのイメージを彷彿とさせてくれた・・・今日の「'88」は、そういった意味で、まだまだ若々しく、この先何年も熟成を続け、その時々の楽しみを享受してくれるものと思う・・・。